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ニュース ・ トピックス 2009【失業支援強化を要請】 県労連の増川利博議長は28日、県庁を訪れ、失業者・求職者の支援強化を要請する石井知事あての要請書を商工労働部に提出した。 県非正規労働者等総合支援センターで一体的な支援が行れるよう連携体制の強化を求めたほか、就職希望の新卒者対策を強化することなどを要請した。 12月29日付の北日本新聞から <2009年12月28日>
県商工労働部の宇野禎晃(うの よしてる)労働雇用課長(右)に
緊急要請書を渡す県労連の増川利博議長(左)
<2009年12月11日> 【個人加盟の労組「Ariso」 発足1周年で集会】 労働形態を問わず、個人で加盟できる労働組合「とやまローカルユニオンAriso(ありそ)」の発足1周年を記念した会合が10日、富山市の県民会館で開かれた。 「Ariso」は、昨年の米国発の世界不況で、メーカーが派遣労働者を契約解除する「派遣切り」が全国的に広がったことなどを受け、県労働組合総連合(県労連)が立ち上げた。現在、40人以上が組合員として活動している。 会合では「Ariso」の村上邦夫委員長が基調講演。「当初は非正規労働者の問題からスタートしたが、現在は正社員のパワーハラスメントやリストラが目立っている」と現状を解説した。 その後、会社側との団体交渉の状況などを当事者がそれぞれ報告し、励ましあった。 2009年12月11日付毎日新聞から 【普通の社会実現を 県内非正規労働者地域組合が一周年】 県内の非正規労働者による地域労働組合「アリソ」が10日、結成一周年を記念した会合を富山市の県民会館で開き、これまでの活動を発表した。 アリソは1人でも加入できる組合として昨年12月に発足。パワハラなど職場の問題や労働条件といった相談を受け付けたり、企業と交渉したりする。会員は約40人で、この1年で県内企業などと20回以上の団体交渉をしてきた。 会合では、県労働組合総連合の増川利博議長が「労働者を支える力がまだ弱い。協力して、普通に働いて普通に生きていける社会を実現させましょう」と、あいさつした。 活動報告では、医療法人の事業休止に伴う離職の際、自己都合の退職とされた組合員が、3回の団交を経て普通解雇に変更されたなどの成果を述べた。 2009年12月11日付け 北陸中日新聞から <2009年4月1日> 【開き直る理事会 雇い止め強行!】 富山県南砺市内の、とあるNPO法人に勤める職員2人が、その運営に異論を唱えたことを理由に、理事長・事務局長などから「雇止め」を受けた。 職員2人は、2008年12月に「雇止め」予告通知書を、2009年2月には、契約更新なしで「雇止め」との通知書を受け取った。 余りに理不尽なやり方にその職員らは、ローカルユニオンArisoに加入し、協議を申し入れた。 3月5日、高岡市内のショッピングセンターに現れた理事長と副理事長を名乗る人物は、そこで「雇止め」撤回を表明。 当該の職員2人は拍子抜けしたと後で語ったが。理事会のメンバーは、3月10日数名の職員を前に、「雇止め」は撤回する方向だが、最終的に理事会で決めると発表。 しかしその後、理事会は、何とかこの「雇止め」を強行しようとした。3月21日の団交で、理事会は「雇止め」撤回を表明した訳ではないと開き直った。3月28日の第2回団交で提出を求めた理事会議事録は、ぬけぬけと忘れたと言い張った。 本日4月1日、NPO法人の理事長宛に次のような要請を送付した。 --------------------
【ぬけぬけと主張する会社側弁護士】 東京都千代田区に本社があるG生保(株)との第1回団体交渉が、2009年3月31日に開催された。その際の組合側の要求は次の通りである。 -------------------- @ 貴社の組合員Tに対する雇用責任を明らかにすること。 A 組合員Tに対する労働条件の一方的不利益変更をやめること。 B 組合員Tに対する「雇止め」を撤回すること。 C 組合員Tに対する「雇止め通知書」における「契約更新しない理由」にある「任用基準を充足しなかった」点の説明責任を果たすこと。 D 会社は従業員に対し組合員であること、組合に加入しようとすることを理由に解雇その他、不利益な取り扱いを行ったり、正当な理由なく団体交渉を拒否したり、その他、労働組合法第7条にいう「不当労働行為」は、いっさい行わないこと。 E 会社は労働組合(員)に対し、掲示板、組合事務所の設置、連絡のための電話の使用・取次ぎ、会議などの会社施設及び什器の使用などを常識的範囲において認めていただきたいこと。 F 会社は労働組合との団体交渉を誠実におこない、労働条件の向上に努めること。組合員の身分、賃金、労働条件の問題については、会社は事前に組合と協議し、労使双方同意のうえ円満にこれを実施すること。 G 会社の経営に関わる変更、及び解雇、出向、配転にあたっては、会社は事前に組合と協議し、組合と同意のうえで実施すること。 -------------------- 会社側弁護士は、ぬけぬけと主張した。Tさん、会社がどんな基準で、あなたが「任用基準を充足しなかった」かを説明する義務はない。総合評価とは所詮そういうものなんです。従業員が納得するか否かは会社にとっては何ら関係ないことなんですと。 この会社は、顧客に信頼と希望を「売っている」のではなかったか?この会社の各商品についてはそれぞれ従業員が学校回りをして、汗水流して説明して教職員など顧客に納得してもらって加入者を増やしているのではないのか? しかし、会社が従業員に任用基準の客観性や正当性を詳しく説明するには及ばないらしい。そんなことをして従業員が納得するはずはないではないかと弁護士は強調する。こうまで主張しないと会社側弁護士は務まらない。高額の顧問料と引き換えに全国各地をフライトする毎日。 だから、一度味わった旨み、顧問弁護士の旨み。これを知った顧問弁護士は、そう簡単にはやめられない! <2009年3月20日> 【この間の交渉と成果について・中間報告】 3月19日夜、「争議」対策に絞った富山県労連の役員会を高岡地域労連事務所でもった。 現在、労使交渉の当事者である建交労の男性組合員及びローカルユニオンArisoの女性組合員も参加した。 巷間いわれている通り、景気悪化をコスト削減で乗り切るために労働者を一方的に「解雇・雇止め」する相談事例が09年になって増えている。 大企業は好景気で蓄積してきた「内部留保」を使わず、株主に増配する横暴ぶりだ。これらに対して毅然たる態度が取れない政治と行政が歯がゆい。 天下の悪法、派遣法を追認し、リストラにストップをかけることもしない政治と行政は一刻も早く変えなければならない。 それにしても、静岡県評は、今年1月に121件の労働相談から58人を、2月は、143件の相談から98人を組織したという。驚異的だ。しかし雇用情勢がこうしたドラマを生み出している。 ----------------------------------------
<2009年3月1日> 【3月1日は労働組合法の施行日。用語解説にはこんな叙述がある】 【労働組法】 労働者の基本権としての団結権の保護を目的として1946年3月1日に施行された法.律。 労働組合の資格を定め、使用者が労働者の団結の侵害、団体交渉の不当拒否などを不.当労働行為として禁止している。まだまだ続くが、今週にセットしている団体交渉もこの労組法に根拠をもっている ことは間違いない。労働者、労働組合の「武器」、私たちは今こそ使いこなさなければならない。 【派遣・期間工といった非正規切りが3月までにさらに増える勢いだ】 会社の解雇理由に「契約期間満了etc」という文言が目立つ。しかし、2005年から3ヶ月更新を繰り返した派遣社員の場合はどうか。14枚の雇用契約書を取り交わしたこの方は、最後の14枚目だけを2ヶ月契約期間に短縮させられた。その2ヵ月後の今年2月、雇い止めとなった。どこにでもある話かも知れない。しかし、私たちは労組法、労基法を隈なくーそうだなめるようにだー見つめる。そして一瞬だが光を目にした瞬間、ニヤリとするのだ。 厚労省・労働局文書(H20.12.25)に労働契約法の解説はいう。「使用者は、有期労働契約によって労働者を雇い入れる目的に照らして、@契約期間を必要以上に細切れにしないよう配慮しなければならない」(第17条第2項)。 この人の労働契約では、「更新の有無」は、「更新しない」はずはなく、3ヵ年と5ヶ月で14枚の契約書を交わし続け、「更新する場合がありうる」といった可能性を臭わせたくらいでもなかった。いわば「自動的に更新する」労働契約だったゆえに、“期限の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っている契約であると認められたもの”。厚労省・労働局文書(H20.10)によれば、A<実質無期契約タイプ>に他ならない。 そしてさらに、労働条件の変更についても労働契約法にルールがある。「労働条件は、合意によって変更することが原則」であり、「使用者が一方的に就業規則を変更しても、B労働者の不利益に労働条件を変更することはできない。就業規則によって労働条件を変更する場合には、内容が合理的であること、労働者に周知させることが必要」だと謳っている。 (文中の○番号は、便宜上ふったもの) さすれば、@ABを併せ携えて明日の団交に臨むことにしよう。今回の相手は手痛い打撲を負ったまま出席するのか。 はたまた、関係方面と打ち合わせ意気軒高と現われるかはわからない。しかし私たちは、多少の準備ができた。 組合員の雇用と生活、そして尊厳を勝取るために団結して進むのみ。 【昨日は、「なくせ貧困・生活危機突破富山県実行委員会」で“生活・雇用相談会”を富山市内のショッピングセンターで実施】 宣伝がいき届かず、午前中は相談者がわずかでやきもき。午後は、お店入り口の宣伝が効きはじめ、ぽつぽつ、ドットという感じで相談者が訪れた。「とにかく、やって良かった」たぶん、主催者みんなの思いではなかったか。なお、一番“人気”は、 現役弁護士さんの机でした。 【高岡・砺波方面からの労働相談が目立つ】 昨日から今日にかけて、青森出身の53歳の男性。6月20日までの契約が3月20日で切られるとの訴え。こちらはр烽轤チてもすぐに対応できず、今朝になった。すでに青森行きの戻りのJR切符を買ったという。 高岡第一高校前でAriso副委員長が落ち合う。副委員長はいろいろ聞き出してくれた。彼は寮にもいづらくてとこぼす。 「最低、契約期間までの雇用責任を会社に求めましょう」 とрナ懸命に励ます。何とか会話になる。切符は3日後の列車に変更すると語ったが、その後はどうなったか。明日朝にでもまた連絡しなければ。一夜明ければこちらも何かと慌しくなる。 雇用の守り神でもいらっしゃるならば、すがりたくなる毎日だ。 <2009年2月26日> 【富山駅前 “異変”】 あるクラブの品の良い元ママさんから労働相談が舞い込む。 以前のオーナーから月80万円で店を譲ってあげると言われたのを断ったのを逆恨みした嫌がらせのようだ。 雇用関係文書がない世界。事実を積み重ねていく他に、打開策はないのか。 【団交に応じた「派遣先」企業】 去る2月23日、ある機械関連の中堅企業に団交申し入れ。 25日付けで、応諾の返事。一瞬、この目を疑った。 全国でも珍しいのでは?と思いつつ、全労連役員に報告したら、何と、初めてのケースかと仰る。 まあ、それは置いておいて、派遣先企業としての雇用責任の一端を認識しているということか。 日時は、2月27日(金)午前11時から。このHPでまた報告 することにしたい。 【ついに地元派遣会社の労働者が “発信”】 地元の派遣会社を通じて、約3年4ヶ月、旧松下で働いていた女性がユニオンに加入。 1年間の休出の不払い。3年継続勤務したにもかかわらず、正社員にしなかったことに対して、静かに憤りを吐露される。 「団体交渉って言葉、知ってました?」と聞けば、最近のマスコミから聞いたとの返事。そして「まさか、自分が派遣切りにあうなんて思いもしなかった」と。雇用の規制緩和が、労働者の生活設計をぶち壊している実態に接して、私も今一度、唇を噛み締めた一日だった。 <2009年2月14日> 【マイナス・マナーで経営するのは誰?】 ヒロシはあの朝のことを思いだした。 それは自転車の前かごに鞄を置いた直後のこと、突然、義夫からメールが来たのだ。何かがあったらしく、「今日は残業やめて帰る」というものだった。 義夫は深夜の勤務明けにいつも2時間程度の残業を欠かさなかったのだが。その日は「何かがあったらしい」と漠然と感じていて、その感触が今しがたヒロシに蘇ってきたのだった。その“何か”の輪郭がおぼろげに浮かんで来た。 警備会社にしては珍しく、女社長のワンマンで氷見市内では有名なその会社は、従業員が長く勤まらないことでも有名だった。ヒロシは自分の父がすでに10年を超して勤務していることに、いつの頃からか“自慢”したい気持ちに駆られていたのだ。 内心誇りにしているそんな父、義夫が残業をやめて即刻帰宅するとは“事件”には違いなかった。その日ヒロシが聞かされた義夫の愚痴とは、ワンマン社長からの「一時金ゼロ通告」だった。普通、警備保障(株)はケチとはいえ、中堅どこの企業として従業員へのボーナスは2年目―1年目は出さないが―からしっかり支給してきた。ところが、義夫が先日、会社の車を使って出張したおりに、得意先である禿鷹建設の取締宅のペットの秋田犬と“接触事故”を起こしたのだ。ワンマン社長は得意先からなじられたことを恨みに思って、年度末の手当をカットしてきたらしい。 ヒロシは父の無念を思うと同時に、ワンマンの女社長に何ら“抵抗”もしない同僚たちの不甲斐なさが心残りで、その思いを今日までひきずって来たのだ。そして時々、心配するのだ。日頃、口数の少ない義夫がワンマン社長に向かって猛然と抗議する時が来るのではないか。あるいは何も言わずに辞表を叩き付けないかとも。 そんなモヤモヤした思いに浸っていたとき、ヒロシの着信メールが鳴り響いた。岡山市にあるムーンマルクチョコレート社からの新製品発売の宣伝だった。ヒロシの好物であるチョコパイのカタログを義夫が特別に取り寄せて持ってきてくれたのが嬉しかった。世間では父と息子との冷たい関係が報道される時代だが、このところの義夫宅は、驚くくらい互いが互いを理解しようと努めているのだった。 <2009年1月31日>
<1月30日> 【お休みはもっぱら木曜日】 氷見の警備会社に勤務している義夫には、今、高校2年の一人息子であるヒロシがいる。 彼は、時々、義夫が綴っているブログに入場して、義夫の職場で何かが起きていることに気づいたようだ。 ヒロシにとって就職はまだ先の話とは言え、世上、「派遣切り」や「年越し派遣村」のニュースに接するにつけ、心おだやかではおれないらしい。 念願かなって就職したのは良いけれど、“北朝鮮”で君臨しているかのような独裁者がいばりちらすような職場は「ちょっと避けたいものだ」と思うのも無理からぬところ。 しかし、そんな同じ職場に勤めていても、やはり人は千差万別だなと、義夫の同僚たちの「お人よし」ぶりをヒロシは高校生なりに感ぜざるを得ないのだ。 義夫がひろげている勤務表をヒロシは何気なく目にしたことがある。 ちょっと驚いたのは、義夫の土曜・日曜はとにかく勤務日になっているのだ。休日はもっぱら、木曜日と決まっている。これは、義夫がカラオケに凝っていて、その定例練習会の木曜に合わせているからに決まっているとヒロシは思い込んだ。 しかし本当にそうなのか、と一人風呂につかりながら思いをめぐらしてみたのだ。 そうすると、ヒロシには、あの朝の出来事が蘇ってくるのだった。 <1月29日> 【年中無休の勤務体制】 警備保障(株)社の朝は早く、夜は遅い。というか、1日24時間、365日の勤務体制といっていい。 ある日、義夫は隣町の福岡町にあるKKセキュリティに勤務する吾郎から思わぬ資料をもらったのだ。 そこには、KKセキュリティと警備保障(株)との賃金と手当の金額一覧が載せられていた。KKセキュリティは、専門学校卒で基本賃金・手当込み25歳で賃金19万円、50歳で38万円とあった。それを目にした義夫は、ひっくり返りそうになった。 自分の今月の基本給はといえば、18万8千円で、手当は1万6千5百円なのだ。 元旦が誕生日の義夫は今年、満で45歳になったのだが。果たして幼な馴染の吾郎が、なぜ今ころになってこんな資料を見せたのか一度ゆっくり聞かせてもらうことにして、先程別れて帰宅したのだった。 <1月24日> 【あんたら俺を責めたてるのは、このせいだろー】 義夫は不思議だった。 勤めている警備保障(株)の氷見支店の従業員名簿を京都から来た親戚の太郎に何気なく見せたのだが、そのことを同僚の満雄が、最近になって上司に告げ口したからだ。 それで義夫は毎日のように、「君は処分ものだな」「それでまだ、勤めるつもりか」「毎日が針の筵だろうな」などと陰に陽に言いふらされる。なぜこんなにもとがめられなきゃいけないのかと、いい加減うんざりしてきている。 確かに太郎は、以前、京都府庁の公務員で商工部の業務主任として工場の設置基準や 法違反を指摘する仕事をしていた。でも今は、もうすでに退職していて年金くらしなのだ。 ただ、それでも頭脳のほうは確からしく、従業員の名が載った氷見支店の表を見て、「この勤務表、ちょっと不十分だな」とおもむろに呟いたのを義夫は覚えている。 あれは、ちょうど姉の3回忌の法事の頃だから、去年の9月初めだったのだろう。 「その時、もうすこし詳しく太郎に聞いておけば良かった」と義夫は後悔しているのだが。 というのは、警備という職務柄、深夜勤務は当然なのだが、派遣された工場の規模や業務内容によっては、一人だけの深夜勤務は違法になっているからだ。ひとたび違法が発覚すれば、役所からの莫大な融資もストップということにもなりかねない。 もしかして、太郎が呟いたのもそんなところに気づいたからかも知れない。 じゃ、そうすると、義夫がこんなに責められることと、勤務表との間に何か関連があるのではないか。 もう一度、義夫は勤務表をシゲシゲと眺めた。「わかった」。氷見支店の従業員名簿には、許されないはずの「一人だけの深夜勤務」が露骨に載っているではないか。 義夫は思った。明日の勤務は午後からだが、出勤してリーダーのSやサブのCに、「あんたら俺を責めたてるのは、このせいだろー」と勤務表を目の前に突きつけてやりたい衝動に駆られた義夫であった。 <1月22日> 【取締役から「転勤」の勧めあり!】 1月21日から22日にかけて、義夫はまさに針の筵のような気持ちにさせられた。 チームリ−ダーのSが、本社の取締役からの個別面談の指示を義夫に伝えに来たのだ。 「今の職場での営業実績からいうと、義夫さんは、別の支店に移ったほうが良いんじゃないのか」。 「義夫さんの持ち味を生かす意味からも、そのほうが良いだろう」。そんなふうに、取締役が仰っておられたとSが義夫に言うのだ。 義夫はふと思った。 移った支店の支店長はどんなタイプだろう。自分とチームを組んでくれるのはベテランか、それとも新人か。残業は毎日か、手当はつくのか。春の営業祭りは何時に始まるのだろう。事務長は親切な方か。有休は今でもとりにくいのに大丈夫か?などと考えていくうちに取締役が勧めてくれる「転勤」にはどうも納得がいかなくなった。 よし、明日職場にいったら、チームリ−ダーのSやサブのCに聞いてみよう。「あなた達だったら、取締役からの勧めに応じる?」って。 そう思ったら少し気が楽になったのか、隣の部屋でラジカセを鳴らしている息子に構わずに、その夜は寝入ってしまった義夫であった。 <1月21日> 【派遣会社Zの憂鬱】 今週に入って切れ目なく労働相談が舞い込む。 そのなかでも派遣会社Zには、労働者の解雇手続きの上で幾つか問題があるようだ。 1月19日午前中、高岡の労働者Oさんが離職票を持参した。Zの高岡担当が、「すぐに雇用給付受けられて良いな」と言い放った時、Oさんは「頭にきた」と言う。午後になるとOさんは友人のNさんを迎えに砺波に行って帰り、再度、県労連事務所にやってきた。「こいつの離職票のほうが変なんだぜ」といって県労連事務局長に広げて見せた。 離職事由が、派遣元会社が1ヶ月間、派遣先あるいは他の就業先を探したが、本人にあうような仕事が見つからなかったという箇所にチェックしてある。12月、Nさんが、派遣会社Zの担当が指示するままにサインしたことがわかった。 Zの富山県内責任者に連絡する。そして彼が明日(1月22日)午前中に県労連事務所にやってくる。 先々週に引き続いて、“円満な解決”となれば良いが。派遣会社Zの憂鬱は、「派遣切り」を仕向けた派遣先企業が、雇用を守る立場に転換する日まで続くのかもしれない。 <1月19日> 【管理者とその配下曰く、「私たちが法律です!」】 1月19日、昼食時を過ぎたころ、「義夫さんが部署を離れるから、残りの方でお客さんに対応するように」と支店長からの指示がくだされた。 義夫さんは、チームのリ−ダーSとサブリ−ダーCに呼ばれた。 二人は代わる代わる義夫さんに“説教”した。 「君のせいで勤務表も出せなくなくなったらどうするの?」 「今まで君のことを目にかけてやっていたのに裏切られた」 「職場の守秘義務を破ったからには、刑務所行きか10万円以下の罰金だ。わかっているかね」「このまま、ここにいても針の筵みたいなものだね」 「組合なんて、今でもやめることできるんだろう」など、時には思い遣りを込めたふりをして、また時には、脅かしにも似た声色を使いながら義夫を責めたてた。 「ああ、この職場には、憲法も労働法もないのか」「あるのは、上司へのゴマすりと違法なことばかり」。義夫は帰り道、切なさと悔しさが入り混じった思いを抱いて子どもが待つ家路を急いだのだ。 <1月16日> 【管理者の“唯我独尊”】 14日の記事にしたように、手広く業務を拡大してきた法人企業のある管理者と今朝、面談した。 その方と直属の部下と思われる2人に対し、こちら側は、3人の“統一戦線”で臨んだ。 そこの従業員さんが呼びつけられ、従うようにいわれた勤務条件の変更に関して、「わたしはそんなことは言っていません」「ウチみたいに労働条件の良いところはないですよ」とまくし立てる。 そして平気で、「ウチのオーナーも私も組合は大嫌いなので…」とのたまう。この人はオーナーから全幅の信頼を得た管理者。それが、労働基本権はもちろん憲法の人権にもまるで無関係な立場にたっている。 数百人の従業員はもちろん、法人企業とかかわりのあるみなさんも、“唯我独尊”の管理者の下に置かれているのだ。 今回一人の方の勇気ある行動が、管理者の“唯我独尊”を白日の下に晒した。 果たして自治体や業界との関わりのなかで、この法人企業はどのような軌跡を画いて来たのか、いささか興味をそそられる。しかし、今は全力でこの従業員を守らなければならない。 <1月14日> 【09年新春は、 “労使の悩ましい”駆け引きでスタート!】 1月14日午前、ある経営陣に、富山県労働相談センターから「労働条件のことで話に伺いたい」と通告したところ、即座に「今月一杯は監査の時期で無理!」との返事がかえってきた。 自分の職場の従業員に関してのことだとわかると、相手は「私と協議もしないで、いきなり外部に話しを持っていく、そんな情報漏洩みたいなことをする職員にはあきれる」などど、電話の向こうでかなりご立腹のようす。こちらが、「労基法違反の恐れが大の案件と思っております」と言うと、ようやく面談して話してもらえる日時が設定できた。 今年は、「派遣・期間工切り」が、正社員「切り」に向かうことを十分予感させる1件が、こうしてスタートした。<以下続報> <1月11日> 【富山県労連が新年旗びらき】 富山県労働組合総連合は10日、富山市内で、2009年の新年旗びらきを行いました。70人が参加しました。 主催者あいさつで増川利博議長は「県労連は昨年末、『とやまローカルユニオンAriso』を結成した。労働者の権利を守るために今後も奮闘していきたい」と話しました。 来賓であいさつした日本共産党の反保直樹県委員長は、総選挙に勝利し暮らしを守る決意を表明。「市民が主人公の富山市政をつくる会」の寺跡勝事務局長は、富山市長選にむけての取り組みを報告しました。 年末に派遣切りされ、ユニオンに住むところを確保してもらったという男性(47)は「ユニオンでは、住居の確保だけでなく派遣元から解雇予告手当をもらうなどの支援をしてもらった。入ったばかりだけど、(労働者が)働くことで困らないようにするために自分なりに精いっぱいがんばっていきたい」と話していました。 日本共産党からは、佐伯めぐみ衆院北陸信越比例候補(富山1区重複)と、ひづめ弘子県議も参加しました。 県労連は10、11の両日、同会場で09年春闘討論集会を開催。全労連の根本隆副議長による記念講演やテーマ別ミニ講座などを行いました。 (しんぶん赤旗 2009年1月14日付より) |
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